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コントレアの関西拠点立ち上げ1年の軌跡〜なぜ10人規模で拠点展開を選んだのか、カルチャーを崩さない立ち上げとは〜
こんにちは。人事のTsuguminです!
今回は関西立ち上げについて!
創業5期目、社員数10人。
そんなフェーズで、「関西拠点立ち上げ」という大胆な決断をしたコントレア。
スタートアップにおいて、一見“無謀”にも見えるこの挑戦。
2024年にスタートし、約1年が経ちました。
実際、何が起き、何が生まれ、そしてその判断は現在どうなりつつあるのか。
立ち上げ意思決定者の1人であるNishioさん、そして“立ち上げ一人目”としてジョインしたItsukiさんとの対談をお届けします!
目次
「それ、本当に今やるの?」〜全会一致で“反対”の中での決断〜
「染まる力」と「頑張る言い訳」〜“一人目”に選んだのは信頼できる友人〜
偶然が生んだ必然 〜関西立ち上げにより成長加速〜
リファラルだから起こるシナジー 〜「信頼」と「責任」〜
「それ、本当に今やるの?」〜全会一致で“反対”の中での決断〜
Tsugumin:
まずは、関西立ち上げの経緯を教えていただきたいです。
Nishio:
2023年12月ごろ、予実分析をしていて商談時の出張交通費が広告宣伝費よりも高いことが議論になりました。ただ業界の特性上、どうしても対面の営業が基本。当時、営業メンバーの増員の検討をしていた時期でもあり、それならいっそ、現地に拠点を持った方が良いのではないかと考えました。加えて、リード内訳も関東と関西で半々だったこともあり、お金、機能、営業メンバーの体力、組織の状況など総合的に見て、立ち上げは合理的な判断であるというところでしたね。
Tsugumin:
とはいえ、当時の会社規模ではかなり大胆な決断ですよね?
Nishio:
そうですね。周囲や株主の方々からは漏れなく全員から「早すぎるのではないか」と言われました。当時、社員10人というフェーズで別拠点を作るのは、ほとんど会社をもう一つ作るようなものですから。
でも僕はカルチャー面の不安はそこまで大きいものだと考えていませんでした。どのような人に任せるか、それによってカルチャー形成は左右されると考えていたからです。
「染まる力」と「頑張る言い訳」〜“一人目”に選んだのは信頼できる友人〜
Tsugumin:
そうなると、一人目の採用は大変だったのではないですか?
Nishio:
そうですね。カルチャー面を担保してくれる人を最初に置くべきというのが経営での結論となり、大学からの友人であるItsukiに声をかけました。もともと医療業界の商社で働いていて、その周辺の人も含めて転職希望者がいないか探るために連絡しましたが、本人が関心を示してくれたのはラッキーでしたね。
Itsukiは「染まる力」が高い。強い自我があるわけではなく、周囲を見てその空気に乗っかって動ける。文化を壊さず、自然と馴染んでいける人。だからこそ、立ち上げの一人目として彼を迎えることができたのは、本当に大きかったです。
Tsugumin:
Itsukiさんは、拠点立ち上げというチャレンジに対して不安はなかったのでしょうか?どのような心持ちでその一歩を踏み出されたのか伺いたいです。
Itsuki:
正直、良くも悪くもそこまで自分の中では普通に入社することと別な物だとは考えていませんでしたね。Nishioが僕に声をかけてきてくれたというところで、まずできないことはないと。そもそも、Nishioができないことはないと思っていることが分かっていたので、立ち上げっていう言葉が一人歩きするほど大変ではないんだろうなという気持ちはありましたね。
Tsugumin:
東京でのインプット期間等は設けず、いきなり関西で営業をされてきたと思いますが、関東関西の連携や、コミュニケーションの部分で何か施策は打たれていたのでしょうか?
Nishio:
内定後すぐにSlackに招待して様子を見てもらったり、入社前に別メンバーの歓迎会に来てもらったりと、雰囲気を掴む機会はなるべく作るようにしていました。
僕らは大学からの友人で、大学1年生の基礎クラスからゼミまで全て一緒だったんですよね、4年間。そのため、ハードな局面でどうするか、組織の中でどう動くか、単純な友人関係という枠を超えてある程度理解している部分があり、何か大きな施策を打つ必要はないと思っていました。
Tsugumin:
関西拠点を立ち上げるにあたって、採用要件(ペルソナ)はあったのでしょうか?
Nishio:
先にも話したように、もともとカルチャーフィットを最重要視していました。特に、自分の理想がコントレアと近いというより、いい意味でこの会社のカルチャーに染まれる力。「こういうことがしたい」という意志が強いと、それが僅かなズレに繋がり、そのわずかなズレもこのフェーズでは大きなほころびに成りかねないので。
Tsugumin:
そうした中で、Itsukiさんご自身は、カルチャーマッチしているのかどうか、不安に思われることはなかったのでしょうか?少なからずプレッシャーになりそうだと感じて。
Itsuki:
心配はしていなかったというか、声がかかった時点である程度大丈夫だろうという信頼はありましたね。もともとSNSを通じて、どんなことをしているのかはなんとなく知っていましたし。イメージ出来ることでしか声をかけたりしないと思っていたので、その中でようやく声がかかったなという感じでした。
Tsugumin:
なるほど。Itsukiさんが前職を辞めて新しい環境に飛び込むという決断をされたことについても、安定した環境やこれまで積み上げてきたキャリアを手放すことに対して、迷いや葛藤はなかったのでしょうか?
Itsuki:
それはなかったですね。なんとなく続けてしまっていて、なんとなくそれなりに仕事も任されて、周りも含めてすごく熱があるという感じでもなかったので。その中で、30歳を目前にして面白い環境がある、それも自分のやってきた医療の領域でこんな面白いことをしているんだって思ったら迷いはなかったです。
あとは、スタートアップに関して何も知らなかったので、熱量が高い人たちのことや、そういう場を知ってみたいと思っていました。こんなに突然立ち上げを任せてもらえそうになることも含めて「おもろいな」と。そういう意味で、チャンスをもらえるならやらない理由はないという感じでしたね。
Tsugumin:
環境の変化や未知へのチャレンジを前向きに“おもろい”と捉える感性は流石ですね!
新しい挑戦に飛び込む際や、新しい挑戦を任せる際はどうしても不安やためらいがあると思うのですが、お互いの信頼が自然と取り除いてくれていたようですね!
Nishio:
唯一あるとしたら営業スタイルの違いですね。営業という大きなくくりで見ると前職でも活躍していたみたいだし、不安はありませんでした。ただ、それでも10年近くやってきた営業スタイルがあって、まだまだ型の定まっていない環境でどこまで出来るのか、という不安は多少ありました。これはItsukiに限った話ではなく、誰だとしても感じていたと思いますが、入社して即学会王と呼ばれるほど学会で縦横無尽に活躍して、結果的に1人での商談も早く、割とすぐに払拭されましたね。
Tsugumin:
Itsukiさんの人柄を理解していたからこそ「カルチャー的に任せられる存在」として信頼されていたということでしたが、それ以外にもスタートアップという環境の中で早くから活躍できそうと感じられた要素は、他にどんなところにあったのでしょうか?
Nishio:
すごく表現が難しいんですが、頑張れるやつだとは思っていなくて、結果的に頑張っているやつなんですよね。
Tsugumin:
すごく難しい表現ですね。
Nishio:
これは他のスタートアップが新拠点の1人目を採用するときに参考になると思っていて。
そもそも大学4年間で、Itsukiに対する周りの印象と僕の印象って微妙に違うと思うんですよね。周りからはとにかくコミュニケーション能力が高くて先輩からも後輩からも好かれている人。それでいて要領がいい、みたいな印象だったんじゃないかな。僕の中では「熱量の高い環境にいる人たちといることが好きな人」という印象なんですよね。
熱量が高い場所の中に自分が飛び込んで、その中の自分の立ち位置を回すみたいことが楽しい人なんだろうと感じていたので、一生懸命やるとか、めちゃくちゃ頑張るとか、そういう感じよりも、このスタートアップという、どうやっても熱量高くやらなければいけない環境にあえて飛び込んで、その中で自分の役割を見つけてやるという考え方なんじゃないかなと。他のメンバーは、Itsukiが入社直後に扁桃腺腫れて点滴打って学会出ていて結構心配してたけど、僕から見るとそういう感じでやる人だから大丈夫だろうとは思っていました。
Itsuki:
そうね。だから、頑張ってない!
Tsugumin:
頑張ってない...?結果的には頑張っているんだけど、頑張ってない...
Nishio:
頑張ってないって言うと語弊があるんだけど、こういう熱の持ち方もある、という感じ。
Itsuki:
そうね。なんだろう。もちろん営業をやっている以上、成果に対して褒められることはもちろん嬉しいですし、営業だけに関わらず、コントレアの称賛文化自体、本当にいいものだな、楽しいなと感じています。
でも、自分頑張ってますって言うのはちょっと恥ずかしい。周りがめちゃくちゃ頑張っているから、じゃあ仕方ないみたいな感じでやるのが楽しいというのはありますね。忙しくなりすぎると、どうしても目の前の事が楽しめなくなることがあると思っていて。そうすると動機付けが大事ですよね。Nishioから声がかかったことだったり、コントレアが持っている空気感や文化だったり、そういうことも含めていろんなもののために頑張りたいって思いますね。
Nishio:
なので、ずっと頑張る言い訳を探してる人。他のスタートアップでもぜひおすすめしたいです!
偶然が生んだ必然 〜関西立ち上げにより成長加速〜
Tsugumin:
関西採用は1人目のItsukiさんからほぼ毎月入社されて、今では7人。その中で困ったことはありましたか?
Nishio:
困ったことは本当になくて、それはTeruさんやMoyaさん含めて業務委託からの切り替えをしてくれたメンバーがいたことで、コントレアを理解してくれている人が増えたことは良かったですよね。
Itsuki:
正直オンラインだと、コミュニケーション取りづらいことがないわけではないから、Product、Med、CS、マーケと各チームの人が早い段階で揃ってくれたことで、聞きたいけど聞けてないみたいなことがほとんどなくやらせてもらっているのはとてもありがたいですね。このチームのことは全くわからなくて、というのがなくやれたのはメンバー構成によるところも結構大きいんじゃないかと思います。
Nishio:
これは完全に運だね。当初は営業拠点で考えていたけど、業務委託から正社員になってくれたメンバーがエンジニアやモーションデザイナーで、結果的に支社として機能するようになったわけだから。ただ、これはおそらく運営してたら遅かれ早かれやっていたかもしれないですね。営業拠点としてだと流石に文化も違っただろうし。
Tsugumin:
他にやってて良かったことはありますか?
Nishio :
メンター制度に関して、意図的に関東・関西混ぜてやるようにしていましたね。それについて、やってみてどうだった?
Itsuki:
少なくとも悪いと思うことはないし、自分も今メンターとしてやらせてもらっているけど、関東だから離れていて何やっているかわからないということはない。そういう意味では距離的な心理ハードルがそれぞれの中でなくなっていくという点では良かったんじゃないかな。
あとは、オフィスが自分たちだけになって、かなり議論が活発になりましたね。盛り上がることも、言い合うことも、全ての会話において周りの目を気にせず出来るようになったことは良かったかな。
Tsugumin:
これまでのお話から、関西拠点の立ち上げが本当に良い流れを生んでいることは十分に伝わってきましたが、改めて関西の立ち上げを「やってよかった」と感じていますか?
Nishio:
本当に良かったです。最初の課題感にあった、Salesが現場メインだからという話ではなく、関西に拠点を置けたからこそ、こうして正社員として同じ船に乗ってもらえたメンバーがこんなにいて。メンバーそれぞれの貢献を考えると、立ち上げていなかったとしたら、会社の成長も今と比べると遅くなっていただろうなと思います。
Itsuki:
本当に忙しくなって体力的にしんどい時、移動とかで疲れている時、この会社楽しいなって立ち返るんです。やっぱり自分は好きでこの仕事をしているんだなって。こんなしんどいけど、明日も出社してみんなでお昼ご飯食べたいなって。そしたらもうちょい頑張ろうって。そう思える場所に出会えたので、関西を立ち上げてもらって本当に良かったです。
Tsugumin:
関西チームが自然体で前向きに動けているのは、“最初の一人”としてスタートされたItsukiさんのスタンスや在り方が、チームに良い空気をもたらしていたからこそだと感じましたが、これまでの過程の中で、意識していたことはあるのでしょうか?
Itsuki:
一人目というのでいくと、唯一あるのは、自分があまり前に出ないようにしていたというところですかね。関西側から発信があれば、他のメンバーにやってもらうとか。これは自分が前にということが得意ではないということもありますが、何か機会があれば他のみんなが東京メンバーに「こういう人なんだ」と知ってもらうきっかけになれば、とは思っていました。
Nishio:
それは初めて聞いたけど、なるほどなと思ったな。関西からの発信は本当にいろいろあって、カルチャーに関しても関西側で工夫していることを関東に逆輸入してみたり。そうやってみんなが気軽にチャレンジするには、前からいるメンバーのスタンスも大事だよね。
Itsuki:
そんなこといちいち言わないし、結果的にみんなが楽しくやれていることがすべてだしね。
Nishio:
Itsukiがそういう思いを持っていたって知っている人いないだろうし、これ読んで驚く人多いんじゃないかな。
リファラルだから起こるシナジー 〜「信頼」と「責任」〜
Tsugumin:
最後に、大学の友人からスタートアップでまた一緒に働いて、お互い今はどういう関係なのでしょうか?
Nishio:
社内で一番喋らないんじゃないかな。大学で4年間一緒ってやつがSlackとかでも頻繁にやり取りしてたら周りも見てられないだろうし。
Tsugumin:
普段はLINEですか?
Itsuki:
全くないですね。大学時代から変な奴だなって思っていて、それはずっと変わらないです。やっていることや周りで起きていることは面白い。その、周りで起きていることは面白いってことへの信頼はありますね。
Nishio:
単純な信頼ではなく、お互いのダメなところやだらしないところも含めて全部知っているので、苦手なことや活躍する場面が分かっているんですよね。だからこそ、そこにあえてコメントすることがないというか。
Itsuki:
たださすがに誘ってもらった手前、恥かかせられないなという緊張感というかプレッシャーみたいなものはずっとあって、それがある意味踏ん張りがきくところにはなっているかな。あと、関西ダメやんって思われたくないのもありますね。立ち上げを任されて、結果ダメだったねってそれはちょっと情けないなって。
Nishio:
それはもちろん逆もそうで、ItsukiもTsuguminもそれぞれ自分が誘ったメンバーだからこそ、やっぱり変な会社には出来ない。誘っといてダメな会社になっちゃいましたってシャレにならなすぎるので、リファラル採用するというのはそういった覚悟を形成する部分もありますよね。
Tsugumin:
私の場合は友人の結婚式での採用なので、リファラルかどうかはわからないですけど。笑
Itsuki:
そういうところもほんまに変。けどおもろい。
Nishio:
成功かどうか本当の意味でわかるのはもっと先の未来かもしれない、けど立ち上げから1年経った今の段階では大成功。とにかく立ち上げメンバーはカルチャーを重視、もう本当にそれだけ。
Tsugumin:
まとめていただいてありがとうございます!
社内で会話されている姿をあまり見かけないお二人から、普段は聞けないお話をたくさん聞かせていただきました。お二人の深い信頼の部分を知り、10年以上のご友人だということが実感できました。
ここからまた関西チームがどう進化していくのか、すごく楽しみですね!
編集後記
出張交通費をきっかけに営業拠点としてスタートを切った関西。
それから1年。今では東京本社と変わらない機能を果たす“支社”へと進化し、コントレアにとって欠かせない存在となりました。
ここまで順調に、むしろ現段階では大成功と胸を張れるまでに成長できた背景には、「誰を一人目に選ぶか」を何よりも重視したこと、そして、その一人に選ばれたItsukiさんが「カルチャーに自然に染まり、馴染んでいける人」だったことは、何にも代えがたい大きな要素だったと、今回の対談を通じて改めて実感しました。
何か特別な制度や仕組みがあったわけではない中で、仲間が増えても関東・関西の垣根なく、互いに信頼し、支え合えるチームが自然と育つ、この“自然さ”が、カルチャーが根づいている何よりの証であり、何よりの強さだと感じています。
「10人で拠点立ち上げは早すぎる」——そう言われた1年前の判断が、今や“文化の拡張”として確かに機能している。
その事実が、私たちにとっての答えのひとつになっています。
拠点を立ち上げるということは、ただ拡大することではなくカルチャーを“誰と”広げていくかという挑戦なのかもしれません。
このストーリーが、次に同じような一歩を踏み出す誰かにとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
そして個人的には、コントレアのセールスであるItsukiさんがどんな人なのか、皆さんに知ってもらえるきっかけになったことも本当に嬉しく思っています。
カルチャーに共鳴しながら、同じ熱量で走っていける仲間と、これからも出会っていけますように。
コントレアでは、そんな“仲間”をお待ちしています!